共通テスト倫理では、心理学分野から毎年のように人物と重要用語を結び付ける問題が出題されています。その中でも特に重要なのが、フロイトが提唱した「防衛機制」です。
防衛機制には「抑圧」「合理化」「投影」「退行」「昇華」などさまざまな種類がありますが、その基本となるのが「抑圧」です。
抑圧は精神分析学を理解するための土台となる概念であり、防衛機制の中でも最も重要なものとされています。共通テストでも、フロイトと抑圧、防衛機制、無意識を結び付けて理解しておくことが得点アップのポイントになります。
この記事では、共通テスト倫理で満点を目指す受験生向けに、抑圧の意味や仕組み、具体例、他の防衛機制との違いまでわかりやすく解説します。
フロイトとは
ジークムント・フロイトは、オーストリアの精神科医・心理学者です。
フロイトは精神分析学を創始し、人間の心には自分では意識できない無意識が存在すると考えました。
また、人間は心に強い不安や葛藤を抱えると、それを和らげるために無意識のうちにさまざまな心理的働きを行うことを明らかにしました。
それが防衛機制です。
共通テストでは、
- フロイト=精神分析学
- フロイト=無意識
- フロイト=防衛機制
この3つを必ず結び付けて覚えておきましょう。
防衛機制とは
防衛機制とは、
不安や葛藤、苦痛から自分の心を守るために、無意識のうちに働く心理的な仕組み
のことです。
人は失敗したり、傷ついたり、認めたくない感情を抱いたりすると、精神的な負担を感じます。
そのままでは心のバランスが崩れてしまうため、自我が無意識のうちに心を守ろうと働きます。
この働きが防衛機制です。
防衛機制は誰にでも見られる正常な心理作用であり、病気ではありません。
抑圧とは
抑圧とは、
受け入れがたい欲求や感情、つらい記憶を無意識の中へ押し込めてしまう防衛機制
です。
フロイトは、防衛機制の中でも抑圧が最も基本的な働きであると考えました。
例えば、
- 恥ずかしい経験
- 強い悲しみ
- 恐怖体験
- 許されない欲求
などを意識し続けると、大きな精神的苦痛を感じます。
そこで自我は、それらを意識から追い出し、無意識の中へ押し込めます。
これによって心の負担を軽減しようとするのです。
抑圧の具体例
幼少期のつらい記憶
幼い頃の大きなショックを受けた出来事を思い出せない場合があります。
これは、その出来事が無意識へ抑圧されている可能性があると考えられます。
強い失恋
大きな失恋を経験した人が、その当時の出来事をほとんど覚えていないことがあります。
心の苦痛を軽減するために抑圧が働いた例です。
恥ずかしい失敗
人前で大失敗した経験を思い出したくないため、記憶が曖昧になることがあります。
これも抑圧として説明されることがあります。
抑圧と忘却の違い
受験生が混同しやすいのが「忘却」との違いです。
抑圧
- 無意識に押し込める
- 心を守るために働く
- 心理的な意味がある
忘却
- 単なる物忘れ
- 時間の経過で記憶が薄れる
- 心理的防衛ではない
抑圧は「心を守るための無意識の働き」である点が最大の特徴です。
抑圧が起こる理由
人は誰でも、
- 悲しい出来事
- 強い怒り
- 恥ずかしい経験
- 社会的に受け入れられない欲求
などを抱えることがあります。
これらを常に意識していると、精神的負担が大きくなります。
そこで自我が無意識のうちに記憶や感情を押し込み、不安を軽減しようとします。
これが抑圧です。
フロイトの人格構造との関係
フロイトは人格を三つの部分から成ると考えました。
エス(イド)
本能や欲求を表す部分です。
「~したい」という衝動がここから生まれます。
自我
現実社会を考えながら行動を調整する部分です。
エスと超自我の間を仲介する役割も担います。
超自我
道徳や良心、社会規範を表します。
「~してはいけない」という倫理観を持つ部分です。
抑圧は、自我がエスの欲求や受け入れがたい記憶を無意識へ押し込めることで心の安定を保とうとする働きです。
他の防衛機制との違い
防衛機制にはさまざまな種類があります。
| 防衛機制 | 内容 |
|---|---|
| 抑圧 | 嫌な記憶や感情を無意識へ押し込める |
| 合理化 | 自分に都合のよい理由を付けて納得する |
| 投影 | 自分の感情を他人のものだと思い込む |
| 退行 | 子どもの頃の行動に戻る |
| 昇華 | 欲求を社会的に望ましい形へ向ける |
| 反動形成 | 本心とは逆の態度を取る |
共通テストでは、この表の内容がそのまま出題されることもあるため、まとめて覚えておきましょう。
ユングとの違い
共通テストでは人物比較も重要です。
| フロイト | ユング |
|---|---|
| 精神分析学 | 分析心理学 |
| 個人的無意識を重視 | 集合的無意識を提唱 |
| 防衛機制 | 元型(アーキタイプ) |
| エス・自我・超自我 | ペルソナ・シャドウ・個性化 |
人物名と代表的な概念をセットで覚えることが得点につながります。
共通テスト倫理で狙われるポイント
頻出ポイント①
フロイトは精神分析学を創始した。
頻出ポイント②
抑圧は防衛機制の基本である。
頻出ポイント③
抑圧とは、受け入れがたい感情や記憶を無意識へ押し込める働きである。
頻出ポイント④
防衛機制は無意識のうちに働く。
頻出ポイント⑤
合理化・投影・退行・昇華との違いを理解する。
共通テスト直前チェック
人物
- フロイト
学派
- 精神分析学
最重要キーワード
- 防衛機制
- 抑圧
関連用語
- 無意識
- エス(イド)
- 自我
- 超自我
覚えるべき内容
- フロイト=精神分析学
- 抑圧=嫌な感情や記憶を無意識へ押し込める
- 防衛機制は自我が心を守る働き
まとめ
抑圧とは、受け入れがたい欲求や感情、つらい記憶を無意識の中へ押し込める防衛機制です。
フロイトは、人間の心には無意識が存在し、自我が防衛機制を働かせることで精神的な安定を保つと考えました。
抑圧は防衛機制の中でも最も基本的な概念であり、精神分析学を理解するうえで欠かせません。
共通テスト倫理では、
「フロイト=精神分析学」
「抑圧=受け入れがたい感情や記憶を無意識へ押し込める防衛機制」
を確実に覚えましょう。
さらに、合理化・投影・退行・昇華・反動形成との違いまで整理できれば、心理学分野で安定して高得点を狙うことができます。



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