【化学】抽出とは?原理や仕組みをわかりやすく解説【高校化学・大学受験】

化学

高校化学で混合物の分離方法を学習すると、「ろ過」「蒸留」「再結晶」「昇華法」と並んで登場するのが「抽出」です。

抽出は共通テストや国公立大学、医学部入試でも頻出の分離操作ですが、

  • なぜ抽出で分離できるのか分からない
  • 分液ろうとの使い方が苦手
  • ヨウ素の抽出実験が覚えられない
  • 再結晶との違いが分からない

という受験生も少なくありません。

抽出は物質ごとの「溶けやすさの違い」を利用した分離方法です。

この記事では、抽出の原理や分液ろうとの使い方、大学入試で頻出のポイントまで詳しく解説します。


抽出とは

抽出とは、物質の溶けやすさの違いを利用して成分を分離する方法です。

ある物質が、

  • 水には溶けにくい
  • 有機溶媒には溶けやすい

という性質を利用して目的物質を移動させます。

高校化学では代表的な分離操作の一つです。


抽出の原理

抽出は物質によって溶けやすい溶媒が異なることを利用します。

例えばヨウ素は、

  • 水には少ししか溶けない
  • ヘキサンにはよく溶ける

という性質があります。

ヨウ素を含む水溶液にヘキサンを加えると、

ヨウ素は水からヘキサンへ移動します。

この現象を利用して分離するのが抽出です。


抽出で利用する溶媒

抽出では通常、

水と混ざらない有機溶媒を使用します。

代表例は次の通りです。

ヘキサン

高校化学で最もよく登場する有機溶媒です。

ヨウ素をよく溶かします。


ジエチルエーテル

有機化合物の抽出によく利用されます。


トルエン

有機化学で登場することがあります。


ベンゼン

近年は安全面から実験での利用は減っていますが、入試問題では登場します。


ヨウ素の抽出実験

高校化学で最も有名な抽出実験です。

ヨウ素を含む水溶液にヘキサンを加えます。

すると、

ヨウ素はヘキサンに移動します。


色の変化

ヨウ素は、

水中では褐色です。

一方、

ヘキサン中では赤紫色になります。

そのため抽出が成功すると、

有機層が赤紫色になります。

この色の変化は大学入試でも頻出です。


分液ろうととは

抽出で必ず使用される器具が分液ろうとです。

分液ろうとの役割

互いに混ざらない液体を分離するための器具です。

例えば、

  • ヘキサン

は混ざりません。

そのため二層に分かれます。

この二層を分離するために分液ろうとを使用します。


分液ろうとの使い方

① 混合液を入れる

水溶液と有機溶媒を分液ろうとに入れます。


② 栓をして振る

十分に振って抽出を行います。


③ ガス抜きを行う

振った後は必ずコックを開いてガス抜きを行います。

入試で非常によく問われます。


④ 静置する

液体を静かに置いて二層に分離させます。


⑤ 下層を抜き取る

コックを開いて下層を取り出します。


なぜガス抜きをするのか

大学入試で頻出です。

分液ろうとを振ると内部の圧力が上昇することがあります。

そのまま栓を開けると、

液体が飛び散る危険があります。

そのため途中でガス抜きを行います。


上層と下層の見分け方

受験生が苦手なポイントです。

どちらが上層になるかは密度で決まります。

水の密度

約1.0 g/cm³


ヘキサンの密度

約0.66 g/cm³


結果

ヘキサンは水より軽いため、

ヘキサン層が上になります。

水層が下になります。


抽出を何回も行う理由

大学入試では重要なポイントです。

一度の抽出ではすべての目的物質を取り出せません。

そこで、

少量の溶媒で複数回抽出する

方が効率よく回収できます。

これは医学部入試でも頻出の内容です。


抽出と分液の違い

混同しやすい用語です。

抽出

溶質を別の溶媒へ移動させる操作


分液

二層になった液体を分離する操作


流れ

抽出

分液

の順に行われます。


抽出と再結晶の違い

どちらも物質の精製法ですが原理が異なります。

抽出

溶媒への溶けやすさの違いを利用


再結晶

溶解度の温度変化を利用


比較

項目抽出再結晶
利用する性質溶媒への溶けやすさ溶解度
主な器具分液ろうとろうと・ろ紙
代表例ヨウ素の分離ミョウバンの精製

大学入試でよく出る問題

抽出の分野では次の内容が頻出です。

抽出の原理

溶媒への溶けやすさの違いを利用する。


ヨウ素はどちらの層へ移動するか

ヘキサン層へ移動する。


ヘキサン層の色

赤紫色。


ガス抜きの目的

内部圧力を下げるため。


上層と下層の判定

密度で判断する。


よくある間違い

抽出は沸点の違いを利用する

間違いです。

利用するのは溶媒への溶けやすさの違いです。


分液ろうとはろ過器具

間違いです。

液体同士を分離する器具です。


ヘキサンは下層になる

間違いです。

ヘキサンは水より軽いため上層になります。


抽出と分液は同じ

間違いです。

抽出は溶質を移動させる操作で、分液は液体を分ける操作です。


医学部・難関大学入試で重要なポイント

医学部や難関大学では、

  • 分液ろうとの操作
  • ガス抜きの理由
  • 密度による層の判定
  • 抽出効率
  • 複数回抽出の利点

が頻出です。

特に、

なぜ少量の溶媒で複数回抽出した方が効率がよいのか

は難関大学でよく問われます。


まとめ

抽出とは、物質の溶けやすさの違いを利用して成分を分離する方法です。

代表例として、

  • ヨウ素と水
  • 有機化合物の精製

などがあります。

抽出では、

  • 分液ろうとを使用する
  • ガス抜きを行う
  • 密度によって層を判断する

ことが重要です。

また大学入試では、

  • ヨウ素の抽出
  • ヘキサン層の色
  • 分液ろうとの操作
  • 抽出効率

が頻出です。

抽出は無機化学・有機化学の両方で活躍する重要な分離操作です。原理と器具の使い方をセットで理解し、入試で確実に得点できるようにしておきましょう。

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