共通テスト倫理では、人間がどのように成長し、社会の中で人格を形成していくのかを学びます。その中で重要人物として登場するのが、文化人類学者のマーガレット・ミードです。
マーガレット・ミードは、「人間の性格や行動は生まれつき決まるのではなく、文化や社会環境によって大きく影響を受ける」という考え方を示した人物として知られています。
青年期の特徴や人格形成、文化と人間の関係を考えるうえで非常に重要な人物であり、共通テストでも頻出です。
この記事では、共通テスト倫理で満点を目指す受験生向けに、マーガレット・ミードの思想や研究内容、試験で問われやすいポイントをわかりやすく解説します。
マーガレット・ミードとは
マーガレット・ミードは1901年にアメリカで生まれた文化人類学者です。
文化人類学とは、人間の生活や文化を研究する学問です。
ミードは世界各地の社会を調査し、人間の性格や価値観がどのように形成されるのかを研究しました。
特に南太平洋の島々で行ったフィールドワークは有名で、人間の成長や人格形成について新しい視点を提示しました。
倫理では「文化と人格」「青年期」「社会化」といったテーマで登場します。
文化人類学とは何か
まずはミードが研究した文化人類学について理解しておきましょう。
文化人類学は、人間の生活様式や価値観、慣習などを研究する学問です。
例えば、
- 家族のあり方
- 結婚制度
- 子育ての方法
- 宗教
- 性別役割
などを調査します。
文化人類学者は実際に現地で生活しながら調査を行うことが多く、この方法をフィールドワークと呼びます。
ミードも実際に現地へ赴き、人々の生活を観察しました。
サモア島研究で明らかになったこと
ミードの代表的研究がサモア島での調査です。
彼女は青年期の若者たちを観察しました。
当時の欧米社会では、
「青年期は反抗や葛藤が激しい時期である」
と考えられていました。
しかしサモアの若者たちは比較的穏やかに成長していました。
大きな反抗や深刻な葛藤があまり見られなかったのです。
この結果からミードは重要な結論を導きました。
青年期の特徴は文化によって異なる
ミードが主張したのは、
「青年期の姿は普遍的ではない」
ということでした。
つまり、
青年期の悩みや葛藤は人類共通のものではなく、社会や文化によって大きく異なるという考え方です。
これは当時としては非常に画期的な主張でした。
欧米社会で当たり前だと思われていた現象が、別の文化では必ずしも見られなかったからです。
この研究は文化相対主義の考え方を強く支持するものとなりました。
文化相対主義とは
共通テスト倫理では文化相対主義も重要なキーワードです。
文化相対主義とは、
「自分たちの文化を基準に他文化を評価してはいけない」
という考え方です。
文化には優劣があるのではなく、それぞれの文化に独自の価値があると考えます。
例えば、
- 食文化
- 宗教
- 家族制度
- 結婚観
などは国や地域によって異なります。
自分の価値観だけで判断するのではなく、その文化の背景を理解することが大切だと考えるのです。
ミードの研究は、この考え方を支える代表例として扱われます。
『三つの原始社会における性と気質』
ミードの研究の中でも特に有名なのが『三つの原始社会における性と気質』です。
彼女はニューギニアの複数の部族を調査しました。
すると、男女の性格や役割が社会によって大きく異なることが分かりました。
ある社会では、
- 男女とも穏やか
別の社会では、
- 男女とも攻撃的
さらに別の社会では、
- 女性が積極的
- 男性が穏やか
という特徴が見られました。
性格は生まれつきだけで決まらない
この研究からミードは、
「男性らしさ」「女性らしさ」
と呼ばれるものの多くが文化によって作られていると考えました。
つまり、
- 勇敢さ
- 優しさ
- 積極性
- 協調性
などは、生物学的な要因だけでなく社会環境によって形成されるということです。
この考え方は後のジェンダー研究にも大きな影響を与えました。
ミードと人格形成
倫理では人格形成との関係も重要です。
人格形成とは、人間が価値観や考え方を身につけていく過程を指します。
ミードは、
人格は社会や文化の影響を受けながら形成される
と考えました。
つまり人間は生まれながらに完成した人格を持っているのではなく、
- 家庭
- 学校
- 地域社会
- 文化
などとの関わりを通じて人格を形成していくのです。
この考え方は現代の教育学や心理学にも大きな影響を与えています。
共通テスト倫理での重要ポイント
共通テストでは細かい研究内容よりも、ミードが何を明らかにしたのかを理解しておくことが重要です。
頻出ポイント①
青年期の特徴は文化によって異なる。
頻出ポイント②
人格形成には文化や社会環境が大きく影響する。
頻出ポイント③
男女の役割や性格には文化的要素がある。
頻出ポイント④
文化相対主義を支持する研究を行った。
頻出ポイント⑤
フィールドワークによる実証的研究を重視した。
他の思想家との比較
試験では比較問題もよく出題されます。
エリクソン
- 心理学者
- 青年期のアイデンティティ形成を重視
ミード
- 文化人類学者
- 文化が人格形成に与える影響を重視
フロイト
- 無意識を重視
- 人格形成を心理的側面から説明
ミード
- 文化や社会環境を重視
- 人格形成を文化的側面から説明
この違いを整理しておくと得点につながります。
共通テスト直前チェック
試験前には次の内容を確認しましょう。
人物
- マーガレット・ミード
学問分野
- 文化人類学
代表的研究
- サモア島研究
- 『三つの原始社会における性と気質』
主張
- 青年期の特徴は文化によって異なる
- 人格形成は文化の影響を受ける
- 男女の役割には文化的要素がある
キーワード
- フィールドワーク
- 文化相対主義
- 社会化
- 人格形成
まとめ
マーガレット・ミードは、文化人類学の立場から人間の成長や人格形成を研究した人物です。
彼女はサモア島研究やニューギニアでの調査を通じて、青年期の特徴や男女の性格は生まれつき決まるものではなく、文化や社会環境によって大きく左右されることを明らかにしました。
共通テスト倫理では、
「人格形成に対する文化の影響」
「青年期の文化差」
「文化相対主義」
が重要な出題ポイントになります。
マーガレット・ミードを学ぶ際は、「人間は文化の中で成長する存在である」という視点を意識すると、関連する問題にも対応しやすくなるでしょう。



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