複素数平面を学習していると、
- 複素数を2倍するとどうなるのか
- マイナスを掛けると点はどう動くのか
- 実数倍にはどんな図形的意味があるのか
と疑問に思うことがあります。
実は複素数の実数倍は、ベクトルの実数倍と全く同じ意味を持っています。
医学部入試では、
- 内分点
- 外分点
- 軌跡
- ベクトルとの対応
などで頻繁に利用される重要な考え方です。
この記事では、複素数の実数倍が表す点について基礎から医学部入試レベルまで解説します。
複素数の実数倍とは
複素数
z = a + bi
に対して、
実数 k を掛けることを考えます。
すると
kz = k(a + bi)
= ka + kbi
となります。
つまり、
点 (a,b)
は
点 (ka,kb)
へ移動します。
具体例
複素数
z = 2 + i
を考えます。
2倍すると
2z = 4 + 2i
になります。
複素数平面では
(2,1)
↓
(4,2)
へ移動したことになります。
原点からの距離が2倍になっていることが分かります。
図形的意味
複素数 z に実数 k を掛けると、
原点 O と点 z を結ぶ直線上で位置が変化します。
向きは変わりません。
長さだけが変化します。
つまり、
実数倍は「拡大・縮小」を表しています。
正の実数倍
k > 0
の場合、
点は原点から見て同じ方向へ移動します。
例えば
z = 1 + 2i
とすると、
3z = 3 + 6i
です。
向きは変わらず、
長さだけが3倍になります。
負の実数倍
k < 0
の場合、
向きが反対になります。
例えば
z = 2 + i
に対して
−z = −2 − i
となります。
複素数平面では、
原点を中心として180°回転した位置になります。
0倍の場合
k = 0
なら
0z = 0
です。
どんな複素数も原点に移動します。
絶対値との関係
実数倍をすると絶対値は
|kz| = |k||z|
となります。
例えば
z = 3 + 4i
なら
|z| = 5
です。
2倍すると
|2z|
= 2|z|
= 10
となります。
つまり長さも実数倍されます。
ベクトルとの関係
位置ベクトル
OP = (a,b)
と
複素数
z = a + bi
は対応しています。
そのため
kz
はベクトルの実数倍と同じ意味になります。
数学Cのベクトルが得意な人は、この対応を理解すると複素数平面も理解しやすくなります。
内分点との関係
実数倍は内分点の計算でも利用されます。
例えば
z = 6 + 3i
の中点を求めるなら、
1/2 z
を計算します。
すると
1/2 z
= 3 + 3/2 i
となります。
複素数平面では、
原点と z を結ぶ線分のちょうど中点になります。
医学部入試頻出問題
問題
複素数 z が
z = t(2+i)
(tは実数)
と表されるとき、
点 z の軌跡を求めよ。
解説
z は常に
2+i
の実数倍です。
したがって、
原点と点(2,1)を通る直線上を動きます。
答えは
y = x/2
です。
軌跡問題での利用
医学部入試では
z = ta
(tは実数)
という形が頻出です。
このとき点 z は、
原点と a を結ぶ直線上を動きます。
実数倍は軌跡問題の基本となる考え方です。
よくある間違い
実数倍すると向きも変わると思う
正の実数倍なら向きは変わりません。
長さだけが変化します。
負の実数倍を理解していない
マイナスを掛けると、
原点を中心として反対側へ移動します。
実数倍と i 倍を混同する
実数倍は拡大・縮小です。
一方、
i 倍は90°回転を表します。
両者は全く異なる操作です。
まとめ
複素数
z = a + bi
に実数 k を掛けると、
点 (a,b)
は
点 (ka,kb)
へ移動します。
つまり実数倍は、
原点を中心とした拡大・縮小を表しています。
また、
- k > 0 なら同じ方向
- k < 0 なら反対方向
- k = 0 なら原点
となります。
複素数平面では、この実数倍の考え方が内分点や軌跡問題の基礎になります。
医学部入試でも頻出なので、ベクトルとの対応を意識しながら理解しておきましょう。


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