複素数平面を学習すると必ず登場するのが「絶対値」と「共役複素数」です。
多くの受験生は公式だけを暗記してしまいますが、医学部入試では公式の意味や図形的な解釈まで理解していることが求められます。
特に
|z|² = zz̄
という関係は頻出です。
この記事では絶対値と共役複素数の意味から、入試での活用法まで詳しく解説します。
複素数の絶対値とは
複素数
z = a + bi
を考えます。
複素数の絶対値とは、複素数平面上で原点から対応する点までの距離のことです。
公式は
|z| = √(a² + b²)
です。
例えば
z = 3 + 4i
なら
|z| = √(3² + 4²)
= √25
= 5
となります。
絶対値の図形的意味
複素数 z = a + bi は、複素数平面上の点 (a,b) に対応します。
したがって絶対値 |z| は、
原点 O から点 P(a,b) までの距離
を表しています。
三平方の定理より
|z| = √(a² + b²)
となります。
つまり絶対値は「長さ」を表しているのです。
共役複素数とは
複素数
z = a + biに対して、
a − bi
を共役複素数といいます。
共役複素数は通常
z̄
と表します。
つまり
z = a + bi
なら
z̄ = a − bi
です。
共役複素数の図形的意味
複素数平面で考えると、
z = a + bi
と
z̄ = a − bi
は実軸に関して対称な位置にあります。
例えば
3 + 2i
の共役複素数は
3 − 2i
です。
複素数平面上では、実軸を鏡として反転した位置になります。
最重要公式
医学部入試で最も重要な公式は
|z|² = zz̄です。
実際に確認してみましょう。
z = a + biのとき、
zz̄= (a + bi)(a − bi)となります。
差の平方の公式を利用すると
= a² − (bi)²
= a² − b²i²
ここで
i² = −1
なので
= a² + b²
となります。
一方、
|z| = √(a² + b²)
ですから
|z|² = a² + b²
です。
したがって
|z|² = zz̄
が成り立ちます。
なぜ共役複素数を掛けるのか
共役複素数を掛けると虚数部分が消えます。
例えば
(2 + 3i)(2 − 3i)
を計算すると
= 4 − 9i²
= 4 + 9
= 13
となり、実数になります。
この性質は分母の有理化で頻繁に利用されます。
例題1
z = 1 + 2i のとき、|z| を求めよ。
解答
|z|
= √(1² + 2²)
= √5
例題2
z = 3 − 4i の共役複素数を求めよ。
解答
虚数部分の符号を反対にするだけなので
z̄ = 3 + 4i
例題3
z = 2 + i のとき、zz̄ を求めよ。
解答
zz̄
= (2 + i)(2 − i)
= 4 − i²
= 4 + 1
= 5
分母の有理化
共役複素数は分母の有理化でも活躍します。
例えば
1/(2 + i)
を計算するとき、
分母の共役複素数である
2 − i
を分子・分母に掛けます。
すると
(2 − i)/(2 + i)(2 − i)
= (2 − i)/5
となります。
この計算は医学部入試でも頻出です。
医学部入試での活用
絶対値と共役複素数は次の分野で頻繁に登場します。
- 複素数平面
- 軌跡
- 円の方程式
- 偏角
- 極形式
- 複素数方程式
特に
|z − a|
を「2点間の距離」と解釈する考え方は非常に重要です。
よくある間違い
絶対値を足し算してしまう
|3 + 4i|
を
3 + 4 = 7
としてしまうミスがあります。
正しくは
√(3² + 4²)
= 5
です。
共役複素数の符号を間違える
実部は変わりません。
変化するのは虚部の符号だけです。
|z|² = z² と勘違いする
これは非常に多いミスです。
正しくは
|z|² = zz̄
です。
まとめ
複素数z = a + biについて、
絶対値は
|z| = √(a² + b²)
共役複素数は
z̄ = a − biで表されます。
そして最重要公式
|z|² = zz̄
は医学部入試でも頻出です。
絶対値は「距離」、共役複素数は「実軸対称」という図形的意味まで理解しておくことで、複素数平面の問題が格段に解きやすくなります。
公式の暗記だけで終わらせず、図形的な意味まで理解することが得点力アップへの近道です。



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