【化学】物質の分離と精製とは?ろ過からクロマトグラフィーまで総まとめ【高校化学・大学受験】

化学

高校化学の最初に学習する重要テーマの一つが「物質の分離と精製」です。

これまで学んできた、

  • ろ過
  • 蒸留
  • 分留
  • 再結晶
  • 昇華法
  • 抽出
  • クロマトグラフィー

はすべて混合物を構成する物質を分離するための方法です。

一見すると別々の内容に見えますが、実はすべて「物質の性質の違い」を利用しているという共通点があります。

大学入試では単独で出題されるだけでなく、

「どの分離法を選ぶべきか」

という総合問題も頻出です。

この記事では、これまで学習した分離法を総整理しながら、物質の構造との関係も含めて解説します。


物質の分離とは

物質の分離とは、

混合物に含まれる成分を取り出す操作

のことです。

例えば、

  • 海水から水を取り出す
  • 泥水から泥を取り出す
  • 原油からガソリンを取り出す

といった操作が分離にあたります。

高校化学では、

混合物を構成する物質の性質の違いを利用して分離します。


まずは物質の分類を理解しよう

分離法を理解するためには物質の分類が重要です。

物質
├─ 純物質
│ ├─ 単体
│ └─ 化合物

└─ 混合物

純物質

1種類の粒子のみからなる物質

  • 酸素
  • 二酸化炭素

混合物

複数の物質が混ざったもの

  • 空気
  • 海水
  • 食塩水
  • 牛乳

分離操作は主に混合物に対して行われます。


分離法は何を利用しているのか

大学入試で重要なのは、

「どの性質を利用しているか」

です。

各分離法を整理してみましょう。

分離法利用する性質
ろ過粒子の大きさ
蒸留沸点
分留沸点
再結晶溶解度
昇華法昇華性
抽出溶媒への溶けやすさ
クロマトグラフィー移動速度

この表はそのまま入試対策になります。


ろ過とは

ろ過は、

粒子の大きさの違い

を利用します。

ろ紙の穴を通れない固体だけが残ります。

  • 泥水
  • 砂と水
  • 沈殿の回収

分離できない例

食塩水

食塩はイオンとして溶けているため、ろ紙を通過します。


蒸留とは

蒸留は、

沸点の違い

を利用する方法です。

  • 食塩水
  • 海水

水だけを蒸発させて回収できます。


分留とは

分留も沸点の違いを利用します。

ただし、

沸点の近い液体同士を分離する方法

です。

  • エタノールと水
  • 液体空気
  • 原油

石油の分留

原油から、

  • ガソリン
  • 灯油
  • 軽油
  • 重油

などを取り出します。

無機化学や有機化学にもつながる重要テーマです。


再結晶とは

再結晶は、

溶解度の温度変化

を利用する方法です。

  • ミョウバン
  • 硝酸カリウム
  • 硫酸銅

流れ

加熱して溶かす

冷却する

結晶を析出させる


不純物を除去して純度を高めることができます。


昇華法とは

昇華法は、

昇華する性質

を利用する方法です。


昇華とは

固体

気体

という状態変化です。


代表例

  • ヨウ素
  • ナフタレン
  • 安息香酸

ヨウ素の昇華は共通テストでも頻出です。


抽出とは

抽出は、

溶媒への溶けやすさの違い

を利用します。


代表例

ヨウ素とヘキサン

ヨウ素は水よりヘキサンによく溶けるため、

ヘキサン層へ移動します。


使用器具

分液ろうと

大学入試ではガス抜きの理由もよく出題されます。


クロマトグラフィーとは

クロマトグラフィーは、

移動速度の違い

を利用します。


代表例

ペーパークロマトグラフィー

黒インクを分離すると、

複数の色素に分かれます。


Rf値

大学入試で頻出の重要事項です。

Rf値は、

物質の移動距離を溶媒前線の移動距離で割った値です。


分離法の選び方

大学入試では、

「どの分離法を用いるか」

がよく問われます。

以下のように考えましょう。

固体と液体を分離したい

→ ろ過


液体を回収したい

→ 蒸発


沸点が近い液体を分離したい

→ 分留


純度の高い結晶を得たい

→ 再結晶


昇華する物質を分離したい

昇華法


溶媒への溶けやすさを利用したい

抽出


少量の成分を分析したい

クロマトグラフィー


分離法を図で整理しよう

混合物

├─ 粒子の大きさ
│ ↓
│ ろ過

├─ 沸点の違い
│ ↓
│ 蒸留・分留

├─ 溶解度の違い
│ ↓
│ 再結晶

├─ 昇華性の違い
│ ↓
│ 昇華法

├─ 溶媒への溶けやすさ
│ ↓
│ 抽出

└─ 移動速度の違い

クロマトグラフィー

医学部・難関大学入試で重要なポイント

医学部や難関大学では、

単なる名称暗記ではなく、

なぜその分離法を選ぶのか

を説明できることが求められます。

例えば、

食塩水なら

→蒸留

ヨウ素と砂なら

→昇華法

ヨウ素水なら

→抽出

というように、

利用する性質まで説明できるようにしましょう。


まとめ

混合物の分離は、

物質ごとの性質の違いを利用して行われます。

重要な分離法を整理すると、

分離法利用する性質
ろ過粒子の大きさ
蒸留沸点
分留沸点
再結晶溶解度
昇華法昇華性
抽出溶媒への溶けやすさ
クロマトグラフィー移動速度

となります。

高校化学ではこの単元が今後学習する、

  • 物質量
  • 化学結合
  • 無機化学
  • 有機化学

の基礎になります。

分離法の名前だけでなく、「どの性質を利用しているのか」まで理解することで、大学入試でも確実に得点できるようになります。

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