共通テスト倫理の青年期分野において、最も重要な人物の一人がエリクソンです。
青年期や人格形成に関する問題では高い頻度で登場し、「アイデンティティ」「自己同一性」「モラトリアム」といったキーワードとともに出題されます。
青年期は身体的な成長だけでなく、自分自身の生き方や価値観について深く考える時期です。エリクソンは、その青年期を人間の発達段階の中でも特に重要な時期と考えました。
この記事では、共通テスト倫理で満点を目指す受験生向けに、エリクソンの思想やアイデンティティ理論、頻出ポイントをわかりやすく解説します。
エリクソンとは
エリク・エリクソンは1902年にドイツで生まれた心理学者・精神分析学者です。
彼は人間の発達を生涯にわたる過程として捉えました。
当時の心理学では幼少期の経験が重視される傾向がありましたが、エリクソンは人間は一生を通じて成長し続けると考えました。
特に青年期における人格形成を重視し、「アイデンティティ」という概念を提唱したことで知られています。
共通テスト倫理では青年期分野の中心人物として扱われます。
アイデンティティとは何か
エリクソンを学ぶ上で最も重要なキーワードがアイデンティティです。
アイデンティティとは、日本語では「自己同一性」と訳されます。
簡単に言えば、
「自分が自分であるという感覚」
のことです。
例えば、
- 自分はどのような人間なのか
- 将来何を目指すのか
- どのような価値観を持つのか
- 社会の中でどのような役割を果たすのか
こうした問いに対する答えがまとまった状態がアイデンティティの確立です。
なぜ青年期にアイデンティティが重要なのか
青年期になると、第二次性徴によって身体が大きく変化します。
また、
- 進路選択
- 職業選択
- 人間関係の変化
- 社会参加
などを経験するようになります。
そのため、
「自分は何者なのか」
という問いを真剣に考えるようになります。
エリクソンは、この時期の最大の課題をアイデンティティの確立だと考えました。
共通テストでは非常に頻出の内容です。
アイデンティティの確立とは
アイデンティティの確立とは、
自分の価値観や生き方に一定の方向性を見いだし、自分らしさを認識できる状態
を指します。
例えば、
- 将来の目標がある
- 自分の考えに自信がある
- 自分の役割を理解している
といった状態です。
もちろん完全に迷いがなくなるわけではありません。
しかし、自分なりの人生の方向性を見つけていることが重要なのです。
アイデンティティの拡散とは
アイデンティティが確立できない状態をアイデンティティの拡散と呼びます。
アイデンティティの拡散では、
- 将来の目標がない
- 自分が何をしたいのかわからない
- 自分らしさを見失う
- 生き方に迷い続ける
といった状況が見られます。
エリクソンは青年期において、この葛藤を経験すること自体は自然なことだと考えました。
むしろ試行錯誤を通して成長していくことが重要なのです。
モラトリアムとは
エリクソンを学ぶ際によく登場するのがモラトリアムです。
モラトリアムとは、本来は「支払い猶予期間」という意味です。
心理学や倫理では、
大人としての責任を引き受ける前に、自分探しをするための猶予期間
を指します。
現代社会では、
- 高校進学
- 大学進学
- 専門教育
などによって社会的自立までの期間が長くなっています。
そのため青年期も長期化し、モラトリアムの期間も長くなっています。
心理社会的発達理論とは
エリクソンは心理社会的発達理論を提唱しました。
これは人間の発達を生涯にわたって8段階に分ける理論です。
各段階には乗り越えるべき課題が存在します。
その課題を解決することで人間は成長していくと考えました。
発達段階の概要
共通テストでは青年期以外が詳しく問われることは少ないですが、全体像を知っておくと理解しやすくなります。
乳児期
基本的信頼 対 不信
幼児前期
自律性 対 恥・疑惑
幼児後期
積極性 対 罪悪感
学童期
勤勉性 対 劣等感
青年期
アイデンティティ 対 アイデンティティの拡散
成人前期
親密性 対 孤立
成人期
生殖性 対 停滞
老年期
統合性 対 絶望
共通テストでは特に青年期の課題が頻出です。
エリクソンと青年期
エリクソンは青年期を人生の転換点と考えました。
なぜなら、
- 子どもとしての自分
- 大人としての自分
の間で葛藤する時期だからです。
この葛藤を乗り越え、自分なりの生き方を見つけることがアイデンティティの確立につながります。
そのため青年期は人格形成において極めて重要な意味を持っています。
マーガレット・ミードとの違い
試験では比較問題も出題されます。
ミード
マーガレット・ミード
- 文化人類学者
- 文化や社会環境を重視
- 青年期の特徴は文化によって異なると考えた
エリクソン
エリク・エリクソン
- 心理学者
- 人格形成を重視
- 青年期の課題をアイデンティティの確立と考えた
この違いは頻出なので整理して覚えましょう。
共通テスト倫理で狙われるポイント
エリクソンに関する問題では次の内容が重要です。
頻出ポイント①
アイデンティティ=自己同一性
頻出ポイント②
青年期最大の課題はアイデンティティの確立
頻出ポイント③
アイデンティティが確立できない状態をアイデンティティの拡散という
頻出ポイント④
モラトリアムは自分探しの期間
頻出ポイント⑤
人間は生涯を通じて発達すると考えた
共通テスト直前チェック
試験前に以下を確認しましょう。
人物
- エリク・エリクソン
学問分野
- 心理学
- 精神分析学
キーワード
- アイデンティティ
- 自己同一性
- アイデンティティの拡散
- モラトリアム
- 青年期
- 人格形成
重要事項
- 青年期最大の課題はアイデンティティの確立
- 人間の発達は生涯続く
- 心理社会的発達理論を提唱
まとめ
エリクソンは、人間の発達を生涯にわたる過程として捉えた心理学者です。
特に青年期を重要視し、この時期の最大の課題をアイデンティティ(自己同一性)の確立であると考えました。
現代社会では進学や就職の多様化により、モラトリアム期間が長くなっています。そのためエリクソンの理論は現在でも大きな意義を持っています。
共通テスト倫理では、
「アイデンティティ」
「モラトリアム」
「青年期の人格形成」
の3つを中心に整理しておくことが高得点への近道です。
まずは、
エリクソン=アイデンティティ(自己同一性)
という最重要ポイントを確実に覚えておきましょう。



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