近親調とは?
近親調(きんしんちょう)とは、もとのキーと関係が近く、転調しても自然に聞こえやすい調のことです。
音楽理論では、
使っている音やコードを多く共有しているキーほど、近い関係にあると考えます。
そのため近親調への転調は、初心者でも扱いやすく、ボカロ曲やJ-POPでもよく使われます。
近親調が「近い」とされる理由
近親調は、もとのキーと共通する音が多いのが特徴です。
たとえばCメジャーを基準にすると、
- Gメジャー
- Fメジャー
- Aマイナー
- Eマイナー
- Dマイナー
などは近親調として扱われます。
これらのキーは、Cメジャーと似た音階や共通コードを持っているため、
曲の途中で移っても不自然になりにくいです。
Cメジャーの近親調
Cメジャーのダイアトニックコードは次の通りです。
- C
- Dm
- Em
- F
- G
- Am
- Bdim
この中から関係の深い調を見ていくと、近親調は次のように考えられます。
1. 属調(ぞくちょう)Gメジャー
Cメジャーから見て5度上のキーです。
シャープが1つ増えるだけなので、とても自然に転調できます。
2. 下属調(かぞくちょう)Fメジャー
Cメジャーから見て5度下のキーです。
フラットが1つ増えるだけで、これも近い関係です。
3. 平行調(へいこうちょう)Aマイナー
Cメジャーとまったく同じ音を使うマイナーキーです。
雰囲気だけを明るいから暗いへ切り替えやすいのが特徴です。
4. 関係調
Cメジャーのダイアトニックコードから派生して考えられるマイナー系の近い調として、
- Dマイナー
- Eマイナー
なども近いキーとして扱われます。
近親調へ転調すると何がいいの?
近親調への転調には、次のようなメリットがあります。
違和感が少ない
急に世界が変わった感じになりにくく、自然に盛り上げられます。
初心者でも使いやすい
共通コードを使いやすいため、転調の練習に向いています。
曲の雰囲気を少しだけ変えられる
同じメロディでも、近親調へ移ると少し印象が変わります。
大げさすぎない変化をつけたいときに便利です。
近親調への転調例
たとえばCメジャーの曲で、
C → G → Am → F
のような進行を使っているとします。
ここからGメジャーへ寄せていきたい場合、
Gコードを軸にして
C → G → D → G
のように進むことで、自然にGメジャーへ入っていけます。
また、Aマイナーへ移るなら
C → G → Am → Em → Am
のように進めると、暗めの雰囲気へなめらかに変化できます。
近親調と遠隔調の違い
近親調の反対に、遠隔調という考え方があります。
遠隔調は、もとのキーと共通音が少なく、急に転調すると強い変化を感じやすい調です。
たとえばCメジャーからF#メジャーのような転調は、かなり遠い関係になります。
- 近親調:自然でなじみやすい
- 遠隔調:インパクトが強い
この違いを知っておくと、曲の演出を考えやすくなります。
ボカロ曲づくりでの近親調の使いどころ
ボカロ曲では、近親調は特に次の場面で使いやすいです。
AメロからBメロで少し空気を変えたいとき
同じキーのままだと単調に感じる場合、近親調へ少し寄せると変化が出せます。
ラスサビ前で盛り上がりを作りたいとき
いきなり大きく転調する前に、まず近親調へ動かすことで流れを作れます。
明るさと暗さを切り替えたいとき
メジャーキーから平行調のマイナーキーへ移ると、感情の陰影を出しやすいです。
まとめ
近親調とは、もとのキーと関係が近く、自然に転調しやすい調のことです。
特に覚えておきたいのは次の3つです。
- 属調
- 下属調
- 平行調
まずは1つのキーを決めて、
そのキーの属調・下属調・平行調を言えるようになると、転調の理解がかなり進みます。
ボカロやJ-POPを作るなら、いきなり複雑な遠隔調転調を狙うより、
まずは近親調を使いこなすところから始めるのがおすすめです。


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