高校物理の電磁気分野では、「電荷保存則(でんかほぞんそく)」という重要な法則を学習します。
電荷保存則は、電流や静電気、コンデンサーなどを理解するための基礎となる考え方です。
しかし、
- 電荷保存則とは何か
- なぜ電荷は保存されるのか
- どのような問題で使うのか
- 入試ではどのように出題されるのか
と疑問に思う人も多いでしょう。
この記事では、高校物理で学ぶ電荷保存則について、基礎からわかりやすく解説します。
電荷保存則とは?
電荷保存則とは、
閉じた系全体で見ると、電荷の総量は変化しない
という法則です。
簡単に言うと、
電荷は勝手に増えたり減ったりしない
ということです。
高校物理では非常に重要な基本法則の一つです。
電荷保存則の意味
例えば、
Aという物体とBという物体があるとします。
最初の状態が
- A:+4 C
- B:−4 C
だったとします。
このとき全体の電荷は(+4)+(−4)=0
です。
電荷が移動した場合
電子が移動して
- A:+2 C
- B:−2 C
になったとしても、
全体の電荷は(+2)+(−2)=0
です。
変化していません。
つまり、
電荷は移動することはあっても、
全体の量は保存されるのです。
なぜ電荷は保存されるのか
電荷は物質の基本的な性質です。
電子や陽子が持つ電荷は決まっており、
通常の現象では勝手に消えたり生まれたりしません。
そのため、
ある場所から電荷がなくなった場合は、
別の場所へ移動しただけと考えます。
静電気と電荷保存則
電荷保存則を理解するには静電気の例がわかりやすいです。
下敷きと髪の毛をこする場合
下敷きと髪の毛をこすると、
電子が移動します。
例えば、
髪の毛から下敷きへ電子が移動したとします。
すると、
髪の毛
電子を失う
↓
正に帯電する
下敷き
電子を受け取る
↓
負に帯電する
このとき、
電子が消えたわけではありません。
髪の毛から下敷きへ移動しただけです。
全体の電荷は変わらないため、
電荷保存則が成り立っています。
電荷保存則と帯電
帯電とは、
物体が正または負の電荷を持つことです。
正に帯電
電子を失う
負に帯電
電子を受け取る
ここで重要なのは、
帯電しても全体の電荷量は変わらないということです。
電荷は移動しているだけです。
電荷保存則と電子
高校物理では、
電荷の移動を考えるとき、
ほとんどの場合は電子の移動を考えます。
陽子はほとんど動かない
陽子は原子核の中に固定されています。
そのため、
通常は移動しません。
電子は移動できる
電子は比較的自由に移動できます。
そのため、
電荷保存則の問題では、
電子がどこへ移動したかを考えることが重要です。
電荷保存則の計算問題
高校物理では計算問題もよく出題されます。
例題
導体Aと導体Bがあります。
最初の電荷は
- A:+8 C
- B:−2 C
です。
接触後、
AとBの電荷の合計はいくらでしょうか。
解答
接触前の全電荷は(+8)+(−2)=+6
です。
電荷保存則より、
接触後も全電荷は+6 C
のままです。
導体の接触問題でよく使う
電荷保存則は、
導体球の接触問題で頻繁に登場します。
基本的な流れ
① 接触前の全電荷を求める
↓
② 電荷保存則を使う
↓
③ 接触後の電荷を求める
大学入試でも非常によく出題される考え方です。
コンデンサーでも重要
コンデンサーの単元でも、
電荷保存則は重要になります。
コンデンサーの接続
コンデンサー同士を接続すると、
電荷が移動します。
しかし、
全体の電荷量は保存されます。
そのため、
コンデンサーの問題では
まず電荷保存則を確認することが重要です。
電流との関係
電流とは、
電子の移動です。
電流が流れても電荷は消えない
電子は回路内を移動しているだけです。
電荷がなくなるわけではありません。
そのため、
電流が流れていても電荷保存則は成立しています。
よくある間違い
電荷がなくなると思う
電子が移動しただけです。
電荷そのものは消えていません。
正電荷が増えると思う
帯電の原因は電子の移動です。
通常は陽子の数は変わりません。
電流で電荷が消費されると思う
消費されるのはエネルギーです。
電荷そのものは保存されています。
テストでよく出るポイント
定期テストや大学入試では次の内容が頻出です。
電荷保存則の内容
全電荷は一定
帯電
電子の移動によって起こる
導体接触問題
接触前後で全電荷は同じ
コンデンサー
全電荷量を保存して考える
電流
電子が移動しているだけ
電荷保存則と質量保存則の違い
化学で学ぶ質量保存則と似ています。
質量保存則
質量は保存される
電荷保存則
電荷は保存される
どちらも
「全体量は変わらない」
という考え方です。
まとめ
電荷保存則とは、
閉じた系全体で見ると電荷の総量は変化しない
という法則です。
本記事のポイント
- 電荷は勝手に増えたり減ったりしない
- 電荷は移動するだけである
- 帯電は電子の移動によって起こる
- 接触問題では全電荷が保存される
- コンデンサー問題でも重要
- 電流が流れても電荷は保存される
電荷保存則は電磁気学の最も基本的な法則の一つです。
今後学習するクーロンの法則、電場、電位、コンデンサー、電流回路などの単元でも頻繁に登場するため、まずは「電荷は移動しても全体量は変わらない」という考え方をしっかり身につけておきましょう。


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