複素数の分野で重要な役割を果たすのが「共役複素数」です。
共役複素数は、単に虚部の符号を変えただけのものではありません。
実際には、
- 絶対値の計算
- 分母の有理化
- 複素数方程式
- 複素数平面
など、あらゆる場面で利用されます。
特に医学部入試では、
共役複素数の性質を利用して計算を簡単にする問題
が頻出です。
この記事では、共役複素数の基本的な性質を分かりやすく解説します。
共役複素数とは
複素数
z = a + bi
に対して、
z̄ = a – bi
を共役複素数といいます。
つまり、
虚部の符号だけを反対にした複素数
です。
例えば、
- 2 + 3i の共役複素数 → 2 – 3i
- 1 – 4i の共役複素数 → 1 + 4i
- -2 + i の共役複素数 → -2 – i
となります。
性質① 共役を2回とると元に戻る
共役複素数をさらに共役にすると元の複素数になります。
例えば、
3 + 2i
↓
3 – 2i
↓
3 + 2i
となります。
性質② 和の共役
複素数 z、w に対して、
が成り立ちます。
つまり、
「和を求めてから共役をとる」
のと
「それぞれ共役をとってから足す」
のは同じ結果になります。
性質③ 差の共役
も成り立ちます。
共役は引き算についても分配できます。
性質④ 積の共役
非常に重要な性質です。
が成り立ちます。
つまり、
積を求めてから共役をとっても、
それぞれ共役をとってから掛けても同じです。
性質⑤ 商の共役
w≠0 のとき、
が成り立ちます。
分母の有理化などで利用される重要な性質です。
性質⑥ 実数の共役は変わらない
実数 a は
a + 0i
と考えられます。
したがって、
です。
例えば、
- 3 の共役 → 3
- -5 の共役 → -5
となります。
性質⑦ 純虚数の共役
純虚数 bi の共役は
です。
例えば、
- 2i → -2i
- -3i → 3i
となります。
性質⑧ 共役複素数との和は実数
z=a+bi
とすると、
となります。
虚数部分が消えるため、
必ず実数になります。
性質⑨ 共役複素数との差は純虚数
となります。
したがって、
必ず純虚数になります。
性質⑩ 共役複素数との積は実数
最も重要な性質です。zz =(a+bi)(a−bi)
差の平方の公式を使うと、(a+bi)(a−bi)=a2+b2
となります。
したがって、zz=a2+b2
です。
これは必ず実数になります。
性質⑪ 絶対値との関係
複素数の絶対値は∣z∣=a2+b2
です。
したがって、∣z∣2=a2+b2
となります。
先ほどの結果zz=a2+b2
と比較すると、∣z∣2=zz
が成り立ちます。
これは医学部入試で最頻出の公式です。
医学部入試で特に重要な公式
次の4つは必ず覚えておきましょう。z+w=z+w zw=zw zz=a2+b2 ∣z∣2=zz
よくある間違い
実部まで符号を変える
共役複素数では、
虚部だけ符号を変えます。
z\overline{z} と z² を混同する
全く別物です。zz=a2+b2
になります。
|z|² と z² を混同する
正しくは∣z∣2=zz
です。
まとめ
複素数
z=a+bi
の共役複素数はz=a−bi
です。
共役複素数には、
- 共役を2回とると元に戻る
- 和・差・積・商に分配できる
- 共役との和は実数になる
- 共役との差は純虚数になる
- 共役との積は実数になる
という重要な性質があります。
特に∣z∣2=zz
は複素数の計算や複素数平面で頻繁に利用されるため、必ず使いこなせるようにしておきましょう。



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