【化学】ろ過とは?原理ややり方をわかりやすく解説【高校化学・大学受験】

化学


ろ過は高校化学で最初に学ぶ分離操作の一つです。

定期テストではもちろん、共通テストや医学部・難関大学の入試でも頻繁に出題される重要な実験操作です。

しかし、

  • ろ過の原理がよく分からない
  • ろ液と残留物の違いを覚えられない
  • なぜ分離できるのか説明できない
  • ろ紙の折り方や操作手順が苦手

という受験生も少なくありません。

ろ過は単なる実験操作ではなく、物質の分類や混合物の分離とも深く関係しています。

この記事では、ろ過の原理や手順、ろ液と残留物の違い、大学入試でよく出るポイントまで詳しく解説します。


ろ過とは

ろ過とは、粒子の大きさの違いを利用して固体と液体を分離する方法です。

ろ紙などのフィルターを利用し、

  • 液体は通す
  • 固体は通さない

という性質を利用して分離を行います。

高校化学では最も基本的な分離操作の一つとして学習します。


ろ過の原理

ろ過ができる理由は、ろ紙に非常に小さな穴が開いているためです。

液体や溶媒の粒子はその穴を通過できます。

一方で、大きな固体粒子は通過できません。

その結果、

  • 液体だけが通過する
  • 固体はろ紙に残る

という状態になります。

つまり、ろ過は粒子の大きさの違いを利用した分離法です。


ろ過で分離できるもの

ろ過は液体に溶けていない固体を分離するときに利用します。

代表例を見てみましょう。

泥水

泥水には、

が含まれています。

泥は水に溶けていないため、ろ過によって分離できます。


砂と水

砂は水に溶けません。

そのためろ過によって分離できます。


沈殿を含む水溶液

化学反応によって生成した沈殿もろ過で回収できます。

例えば、

硝酸銀水溶液と塩化ナトリウム水溶液を混ぜると、

塩化銀の沈殿が生じます。

この沈殿を取り出す際にろ過が利用されます。


ろ過できないもの

ろ過は万能ではありません。

液体に完全に溶けている物質はろ過できません。

例えば食塩水です。

食塩は水中で、

  • Na⁺
  • Cl⁻

として存在しています。

イオンはろ紙の穴よりはるかに小さいため通過してしまいます。

そのため食塩水をろ過しても、

食塩と水を分離することはできません。


ろ液と残留物の違い

入試で頻出なのがこの用語です。

ろ液

ろ紙を通過した液体をろ液といいます。

泥水をろ過した場合、

ろ液は透明な水になります。


残留物

ろ紙の上に残った固体を残留物といいます。

泥水の場合、

泥が残留物です。


用語の整理

名称内容
ろ液ろ紙を通過した液体
残留物ろ紙上に残った固体

テストでは頻出なので必ず覚えましょう。


ろ過の手順

高校化学では実験操作も重要です。

① ろ紙を折る

ろ紙を半分に折ります。

さらにもう一度半分に折ります。

その後、一方だけ開いて円すい形にします。


② ろ紙をろうとにセットする

ろ紙をろうとに入れます。

蒸留水で軽く湿らせると密着しやすくなります。


③ ガラス棒を使って液体を流す

混合物をガラス棒に沿わせながらゆっくり流します。

直接注ぐとろ紙が破れることがあります。


④ ろ液を回収する

ろうとの下に置いた容器でろ液を受け取ります。


なぜガラス棒を使うのか

定期テストや入試でよく問われます。

ガラス棒を使う理由は、

  • 液体が飛び散るのを防ぐ
  • ろ紙が破れるのを防ぐ
  • 液体を正確に流す

ためです。

単なる道具ではなく、実験を正確に行うために必要な器具です。


熱時ろ過とは

再結晶の実験では熱時ろ過を行うことがあります。

熱時ろ過とは、

高温のままろ過を行う方法

です。


なぜ熱時ろ過を行うのか

冷えると目的物質が結晶として析出してしまう場合があるためです。

例えば再結晶では、

不純物だけを除去したいことがあります。

その際に熱時ろ過を利用します。


吸引ろ過とは

高校化学後半や大学入試では吸引ろ過も登場します。

吸引ろ過とは、

減圧してろ過速度を速くする方法です。


吸引ろ過の特徴

  • ろ過が速い
  • 結晶を効率よく回収できる
  • 結晶を乾燥しやすい

再結晶後の結晶回収によく利用されます。


ろ過と他の分離方法との違い

混合物の分離法にはさまざまな種類があります。

ろ過

粒子の大きさの違いを利用

  • 泥水
  • 砂と水

蒸留

沸点の違いを利用

  • 食塩水から水を取り出す

再結晶

溶解度の差を利用

  • ミョウバンの精製

クロマトグラフィー

移動速度の違いを利用

  • 色素の分離

入試では、

「どの分離方法を使うべきか」

が問われることがあります。


大学入試でよく出る問題

ろ過の分野では次の内容が頻出です。

ろ液とは何か

ろ紙を通過した液体です。


残留物とは何か

ろ紙上に残った固体です。


食塩水はろ過できるか

できません。

食塩が完全に溶けているためです。


ガラス棒を使う理由

液体を安全かつ正確に流すためです。


熱時ろ過の目的

不純物を除去しながら目的物質の析出を防ぐためです。


よくある間違い

食塩水はろ過で分離できる

間違いです。

食塩はイオンとして溶けているためろ紙を通過します。


ろ液は固体のこと

間違いです。

ろ液はろ紙を通過した液体です。


ろ過は液体同士の分離に使う

間違いです。

ろ過は固体と液体の分離に利用します。


溶けている物質もろ過で分離できる

間違いです。

ろ過できるのは溶けていない固体だけです。


まとめ

ろ過とは、粒子の大きさの違いを利用して固体と液体を分離する方法です。

代表例として、

  • 泥水
  • 砂と水
  • 沈殿を含む溶液

などがあります。

ろ過では、

  • ろ紙を通過した液体 → ろ液
  • ろ紙上に残った固体 → 残留物

となります。

また、

  • 熱時ろ過
  • 吸引ろ過

も大学入試で頻出です。

ろ過は混合物の分離方法の中でも最も基本となる操作です。原理だけでなく、実験手順や用語の意味までしっかり理解し、入試で確実に得点できるようにしておきましょう。

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