共通テスト倫理では、心理学分野から人物と重要概念を結び付ける問題が頻繁に出題されます。中でも重要なのが、フロイトが提唱した防衛機制です。
防衛機制には、抑圧・合理化・投射(投影)・反動形成・退行・代償・昇華などがありますが、その一つとして理解しておきたいのが同一視です。
同一視とは、自分が尊敬する人や憧れている人の考え方や行動、性格などを自分の中に取り入れることで、不安や劣等感を和らげようとする防衛機制です。
この記事では、共通テスト倫理で満点を目指す受験生向けに、同一視の意味や仕組み、具体例、他の防衛機制との違いまで詳しく解説します。
フロイトとは
ジークムント・フロイトは、オーストリアの精神科医・心理学者であり、精神分析学を創始しました。
フロイトは、人間の心には自分では意識できない無意識が存在すると考えました。
また、人は不安や葛藤、精神的苦痛を感じると、自我が無意識のうちに心を守るための心理的な働きを行うと考えました。
これを防衛機制といいます。
共通テストでは、
- フロイト=精神分析学
- フロイト=無意識
- フロイト=防衛機制
をセットで覚えておきましょう。
防衛機制とは
防衛機制とは、
不安や葛藤、精神的苦痛から心を守るために、自我が無意識のうちに働かせる心理的な仕組み
です。
人は誰でも、自分に自信を失ったり、劣等感を抱いたりすることがあります。
その精神的負担を軽くするため、自我はさまざまな防衛機制を働かせます。
同一視もその一つです。
同一視とは
同一視とは、
尊敬する人や憧れの人物の考え方や行動、価値観などを自分の中に取り入れることで、不安や劣等感を和らげようとする防衛機制
です。
自分より優れていると感じる人物をモデルにすることで、自分もその人物に近づいたような安心感や自信を得ようとします。
つまり、
「憧れの人物を手本にして、自分もその人のようになろうとすること」
が同一視の特徴です。
例えば、野球選手に憧れる子どもが、その選手と同じ背番号のユニフォームを着たり、フォームをまねしたりすることがあります。
また、尊敬する先生の話し方や勉強法を取り入れて努力することも同一視の例です。
さらに、新入社員が頼りになる先輩の仕事の進め方や考え方を積極的に学び、自分のものにしていくことも同一視として説明できます。
このように、優れた人物の特徴を自分に取り入れることで成長しようとすることが同一視です。
同一視が起こる理由
人は、
- 自信がない
- 劣等感を抱いている
- 将来への不安がある
など、さまざまな不安を感じることがあります。
そのようなとき、自分が尊敬する人物や理想とする人物を手本にすることで、自信を取り戻そうとします。
これが同一視です。
同一視の具体例
憧れのスポーツ選手をまねする
好きなスポーツ選手のフォームや練習方法を取り入れ、自分も上達しようと努力する例です。
尊敬する先生の勉強法を実践する
成績優秀な先生や先輩の勉強方法をまねして学習することも同一視です。
親の職業に憧れる
医師である親に憧れ、自分も医師を目指して努力することがあります。
尊敬する人物を手本にしているため、同一視の例といえます。
先輩の仕事のやり方を取り入れる
新入社員が優秀な先輩の話し方や仕事術を学び、自分も同じように行動することも代表例です。
同一視と投射(投影)の違い
受験生が混同しやすいのが**投射(投影)**です。
同一視
他人の良い部分や価値観を自分の中へ取り入れる防衛機制です。
投射(投影)
自分の感情や欲求を、他人が持っているものだと思い込む防衛機制です。
例えば、
- 尊敬する先生の勉強法をまねする → 同一視
- 「先生が自分を嫌っている」と思い込む → 投射(投影)
という違いがあります。
他の防衛機制との違い
| 防衛機制 | 内容 |
|---|---|
| 抑圧 | 嫌な記憶や感情を無意識へ押し込める |
| 反動形成 | 本心とは正反対の態度をとる |
| 合理化 | 都合のよい理由を付けて自分を納得させる |
| 投射(投影) | 自分の感情を他人の感情だと思い込む |
| 退行 | 幼い頃の行動や発達段階へ戻る |
| 代償 | 弱点を別の能力や努力で補う |
| 昇華 | 欲求を社会的に価値ある活動へ向ける |
| 同一視 | 尊敬する人の考え方や行動を取り入れる |
この表は共通テストでも頻出なので、防衛機制の内容を整理して覚えましょう。
共通テスト倫理で狙われるポイント
頻出ポイント①
同一視はフロイトの防衛機制の一つである。
頻出ポイント②
尊敬する人物や憧れの人物を手本にすることが特徴である。
頻出ポイント③
防衛機制は自我が無意識のうちに働かせる。
頻出ポイント④
スポーツ選手や先生をまねする例を理解しておく。
頻出ポイント⑤
投射(投影)との違いを理解しておく。
共通テスト直前チェック
人物
- フロイト
学派
- 精神分析学
最重要キーワード
- 防衛機制
- 同一視
関連用語
- 無意識
- 自我
- 投射(投影)
- 抑圧
- 合理化
- 昇華
- 退行
覚えるべき内容
- 同一視=尊敬する人物を手本にする
- 防衛機制は自我が無意識に働かせる
- 憧れの人物をまねすることが代表例
まとめ
同一視とは、尊敬する人や憧れの人物の考え方や行動を自分の中へ取り入れることで、不安や劣等感を和らげようとする防衛機制です。
フロイトは、人間の自我が精神的な苦痛や葛藤から心を守るために、防衛機制を無意識のうちに働かせると考えました。
共通テスト倫理では、
「同一視=尊敬する人物を手本にし、その考え方や行動を取り入れる防衛機制」
を基本事項として確実に覚えましょう。
また、スポーツ選手や先生、親、先輩などをまねする具体例を理解し、投射(投影)との違いまで整理しておくことで、防衛機制に関する問題にも対応できるようになります。


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